えんとつ町のプペルと医療
病院にいるとこんな言葉を聞くことがある。
「もう何も出来ない」
「楽しみもなくなった」
「楽しんだらダメ」
「やると家族から怒られる」
病気や怪我をしてしまった人がこのような想いになることがしばしばある。
やりたい事はやった方がいいし、楽しめる事は楽しんだ方がいい。
僕たちセラピストは自分らしい人生を送るために寄り添い、背中を押して行く仕事だと思っている。
でも、どんなに背中を押しても楽しもうとしない方が圧倒的に多い。
病気や怪我はマイナスのように見えるが、プラスに変える事が出来ると思っている。
どんな形になるかはわからないが、必ずその方法を見つけたい。
もちろん病気や怪我、障害なんて嫌に決まっている。
でも、そんなのがあるからと言って楽しめなくなるのは違うと思う。
そんなことを考えていた時に「えんとつ町のプペル」に出会った。
入り口の「はじめに」に書かれている西野さんの想い。
『えんとつ町』は、現代社会。
そして医療現場でもよく見かける社会だ。
僕には病気や怪我を患ってしまった人たちの心と「えんとつ町」が重なった。
人は病気や怪我を負うことで、何かしらの制限を受けてしまう。
もちろん病気や怪我を改善させるために必要な治療やケアを行う。必要な制限かもしれない。
しかし、それと同時に自分たちが “やってきた事” や “やりたい事” を諦めてしまったように感じることが多い。
物理的な制限があるからかもしれないが、やりたい事を自分で制限しているように見える。
病気や怪我をした事でやりたい事を“諦めないといけない”と思い込んでいるのではないだろうか。
みんな一度は、病気や怪我をした方に対して、「無理しないでね」「しっかり休んでね」「寝てていいよ」
こんな事を言ったことがあると思う。
一見優しい言葉に見えるし、悪気なんてこれっぽっちも感じられない。
しかし、この見えない“優しさ”が患者になった時の自分に制限をかけてしまうのかもしれない。
病気してるから無理はできない。
患者は病気を治さなくちゃいけない。
「もう何もできない」「してはいけない」
こうやって健康な時から患者の概念が培われていると、
いざ病気になった時に“やってきた事” や “やりたい事”を諦めてしまうのだろう。
病気を治すのも大事かもしれない。
僕たち医療従事者は何をするために関わっているのだろうか。
いま一度考え直さなくていけないと僕は思う。
えんとつ町の真っ黒い煙のようなバリアから楽しめる世界を創りたい。
病気になっても、怪我をしても入院しても人生を楽しむことを忘れない世界を創りたい。
この「えんとつ町のプペル展in福岡」をきっかけに、今まで“やってきた事” や “やりたい事”を思い出してほしい。
そんなきっかけを創りたくて、この「えんとつ町のプペル展in福岡」を主催させてもらった。
病気や怪我をしたって、やりたい事はやるべきだ。
プペルとルビッチみたいに信じてみようじゃないか。
「さぁ、一緒に黒い煙の先を見に行こうじゃないか。」
えんとつ町のプペルin福岡
期間:2018.4.19 - 5.14
時間:10:00~20:30(最終入場は20:00)
会場:福岡PARCO 新館5F
TheCompany内 イベントスペース
料金:中学生以下入院患者/無料 、高校生/300円 、おとな/600円(※中学生・高校生は学生証提示)
主催:えんとつ町のプペル展in福岡実行委員会
※5月12日(土)5月13日(日)各10:00~12:00は、病院や施設等に入院・入居されている方や家で療養されている方へ限定の特別ご招待時間とさせていただきます。
当日の一般公開は12:00~20:30となります。ご理解とご協力の程お願い申し上げます。
開催 場所
福岡PARCO 新館5F TheCompany内 イベントスペース
※中学生、高校生の方は学生証のご提示をお願い致します。
また、ご入院されている方は同伴者のお付き添いの元お越し頂くか、外出許可証のご提示をお願い致します。